はじめに
こんにちは。今回は同志社大学公認サークル第三劇場の新人公演≪鏡花水月≫を拝見したので、レポートしておきます。
あらすじ
SNSで繋がりを持つチサト、ナサ、こはなの三人。しかしある日、こはなが自殺によってこの世を去ってしまう。突然の出来事に残された二人は困惑するがそれでも日常は変わらず続いていぐ。
公式フライヤーより
人の関係性にも変化は訪れず微妙な関係性のまま日々 を過ごしていた。そんな中でナサはチサトにとある提実をする。
「今度実際に会えないか?一度らやんと話したはうがいいのかなって思うんだ」
しかしチサトはそれを拒絶。
チサトはナサとの関係を一時的に断ってしまう。
変わらなければいけない 変わりたい でも、変わりたくない。
葛藤抱抱えながら日々を過ごすチサトはこはなとの会話をふと思い出して一
個人的ハプニング
学生会館の雰囲気が嫌いです。
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会場17時30分、開演6時ちょうどだと思っていたら、それぞれ30分早かったです。自分の確認不足を恥じながら、チケットだけを受け取っていったん撤退しました。
で、たまたま新町校舎のほうの食堂に寄ったら、同志社校友会のご厚意で、一品が無料に。
寒かったので120円ぐらいの豚汁を買い、タダでナムルを付けてもらえました。
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チケットは、作品の雰囲気を意識してのスマホ型。こういうホスピタリティは素晴らしいですね。
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アンドロイドのUXとは少し違いました。
感想
Z世代に忠実な、現代的悲劇
本作では、多くがメインの3人のチャットという形で進行します。演出としては斬新。
自殺という重いテーマを扱う本作品でした。個人的には、こはなが自殺に追いやられた原因と、彼女の心情をもう少し描いて欲しいと感じました。
ナサが、「チャット上では相手の顔も、声さえも知らなかったのに、今更僕はこはなの何を知っているんだ……」的なセリフを言っていたのが印象的ですね。私たちは、いんたーねっと上で、まるで全能感に浸ることができますが、実はそうではないということを改めて気づかされました。
こはなの自殺を受け止め、最後はナサとチサトがリアルで会うという幕で終劇します。決して負の感情だけを強調するのではなく、希望的な未来を示唆しつつ幕を下ろすのは、とても好印象でした。
そもそも劇とは
古来、ギリシアでは悲劇として劇は上演されていました。それは、現代のような抒情的なものではなく、あくまで叙事的なものでした。叙事的とは、模倣です。個人の感情ではなく、ある場合に人はこういった行動をする、ということをうつし取るのが、人間固有の楽しみである、とアリストテレスは説きます。
悲劇には、憐れみと怖れを通じた固有の感情(=快)を引き起こし、それがカタルシスされるという役割があります。
それが時代が進み、ロマン的劇、そしてオリジナリティが評価対象となる時代がやって来ます。
劇作にあたって、ぜひアリストテレスの『詩学』を読んでみてください。
まとめ
新人公演ということで、今後がますます楽しみです。
長い期間にわたる稽古お疲れさまでした。