【原神】La Vagueletteを英語と日本語に翻訳してみた

原神
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La Vaguelette翻訳

今更ながら、フリーナの伝説任務の劇中歌の La Vaguelette(邦題《さざ波》)の翻案を作っていこうと思います。

個人的に、フランス語→日本語の翻訳の難易度が高いので、まずフランス語→英語に直してからそのあとで英語→日本語に訳すことにしました。文法の解説も頑張ってやるので、お付き合いいただければと思います。

実は公式で翻訳が出ています。なので、私のは完全に翻案となります。公式さんの訳は素晴らしいんですけど、ちょっと辞書的じゃない気がしないでもないので、今回はフランス語に忠実に翻案を練っていこうという回です。

神曲の視聴はこちら↓

動画の字幕設定を日本語にすれば翻訳が見れます。

I try to translate La Vaguelette, the song which appears in Frina’s story quest, into English and Japanese.

©COGNOSPHERE

フランス語を英語にする

一旦英語に直して理解しやすいようにします。

Français

《La  Vaguelette》

Ah, si je pouvais vivre dans l’eau, le monde serait-il plus beau?
Nous pardonneras-tu, ô chère mère?
L’eau dans son courant fait danser nos vies.
Et la cité, elle nourrit.
Ainsi que toi, mon doux amour.

Non, le grand amour ne suffit pas.
Seul un adieu fleurira.
C’est notre histoire de vie, douce et amère.
Moi, je suis et serai toujours là, à voir le monde et sa beauté.
Et ça ne changera jamais, jamais…

French into English

The Ripples

Ah, if I could live in the water, would the world be more beautiful?
Would you forgive us, oh dear mother?
The water in its flow makes our lives danse.
And the city, which gives.
My love is sincere as yours.

No, the grand love is not enough.
In solitude, a farewell will bloom.
This is our story of life, which is bittersweet.
I am yet, and I will always be here, to see the world and its beauty.
And that will never change.


無事にフランス語が英語になりました。あとはこれを日本語に直していく作業になりますが、まずは仏→英にした際に私が気遣った点を文法解説と共に列挙していきます。

文法事項解説

Ah, si je pouvais vivre dans l’eau, le monde serait-il plus beau?

  • si (if)
  • pouvais > pouvoir (can be) 半過去
  • vivre (live)
  • l’eau (the water) 定冠詞が縮約されていて分かりづらいけど、女性名詞。この曲でよく出てくる単語なので覚えておいてください。
  • serait > être (be)  条件法現在

「si + 半過去 , 条件法現在……」 で条件法現在の構文です。英語の仮定法過去に近い表現です。

serait-ilは倒置が起こっていますが、これはフランス語でよくある疑問文の形です。→モンテーニュQue sais-je?

Nous pardonneras-tu, ô chère mère?

  • pardonneras > pardonner (forgive)

単純未来です。英語のwillぐらいに考えて大丈夫です。

ここでも倒置疑問が起こっています。nousが主語のように見えますが、フランス語では直接目的語が動詞の前に入るので違います。

tuは「君」を指す軽い二人称です。正式な場合はvousを使うので、あまり硬くない表現と言えます。

L’eau dans son courant fait danser nos vies.

  • courant (m.s.) 名詞として扱います。男性名詞なので所有形容詞は男性単数。
  • fait > faire (do)
  • danser (dance)

「faire + 不定詞 + 人・物」で使役の形を取ることができます。

英語lifeの複数形はlivesになるので注意。

Et la cité, elle nourrit.

  • nourrit > nourrir (feed, give)

elleはcitéを指し、強調的に使っています。nourrir は他動詞の用法が多いのですが、ここでは目的語が省略されています。おそらく前の文(水が命を育む的な意味)と繋がっているのに加え、音楽の関係上での省略だと思います。

elleは「彼女」ではありません。直前の女性名詞であるcitéを受けています。

Ainsi que toi, mon doux amour.

  • Ainsi que  副詞節です。que以下と同様に~の意味。toiは「あなた」を強調する語。
  • amour (m.s.) 愛です。愛の神アモル(キューピット)から来ています。

amourは男性名詞単数なので、係る形容詞も男性形になっています。同じ形容詞が後にもう一度登場しますが、その際は形が違っているので注意。


Non, le grand amour ne suffit pas.

  • suffit > suffier
  • ne + 動詞 + pas 動詞の否定

grandは個人的に非常に訳しづらい形容詞です。英語のgrandと基本的に同じなので、なんとなくの理解でいいでしょう……。フランス語の形容詞は後置が多いけど、grandは前置修飾なんですね。

Seul un adieu fleurira.

  • seul (solo) 形容詞ですが文頭に置くことによって副詞的に使う用法があるそうです。
  • fleurira > fleurir (bloom) 単純未来

すごく詩的な表現で好き。

C’est notre histoire de vie, douce et amère.

histoireは英語のhistoryと間違えやすいので注意。歴史という意味ももちろんありますが、物語や作り話などといった意味で使われることも多いです。また、女性名詞なのでdouxがdouceになっています。

ceは漠然とここまでの歌詞の内容を指しているように思われます。

Moi, je suis et serai toujours là, à voir le monde et sa beauté.

  • toujours (always) 副詞
  • voir (see)
  • beauté > beau 形容詞beauの名詞形

être の動詞が現在形(suis)と単純未来(serai)の2回に活用されていて面白いと思いました。今も、未来もということと、moiで私が強調されていますね。

英語と同じく、主語 + be動詞 + 前置詞 + 場所で「○○にいる」を表現できます。làは既に前置詞が含まれているようなhereやthereの扱いに近いです。

「à + 不定詞」は、意味がたくさんあるのですが、とりあえず目的で考えておくことにします。

toujoursは、「常に」という意味でしか見たことがありませんでしたが、辞書を引いたところ「既に」という意味もあるそうです。

ここではêtreが現在形と未来形にわざわざ2回活用されていることも考えて、toujoursが両方の動詞を違う意味で修飾していると考えることにしました。

Et ça ne changera jamais, jamais…

  • changera > changer (change) 発音は英語と全く違います!
  • ne + 動詞 + jamais  neverのような強い否定です

çaは“je suis et serai toujours là”を受けていると理解しました。

日本語

さざ波

ああ、もし水の中に生きられるなら、世界はもっと美しくなるのだろうか?
親愛なるお母さん、私たちをどうか赦してください。
水の流れは、私たちの人生を躍動させる。
そして同じように与えてくれるのは、この街だ。
私の愛はあなたと同じぐらい気持ちがこもっている。

いや、偉大な愛は足りていない。
さよならが孤独に花開く。
これが私たちの甘くて苦い人生の物語だ。
世界とその美しさを見るためにずっとここに居るのは、私だ。
そして、それは決して変わらない。

まとめ

この曲、フリーナ自身の曲というよりかは、フリーナが出演を頼まれた演劇の主人公の曲となっています。たしかに、その主人公とフリーナの背景の相関は深いのですが……。

考察する際は、その点を念頭にしておかなければならないと思います。今後考察しようと思います。

参考文献:小学館 ロベール仏和大辞典、プログレッシブ英和中辞典

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